‶LEVI’S 501” 歴史から見るリーヴァイス

2021年2月3日

今回は、現行品のLEVI’S 501ジーンズを手に入れました。この機会にリーヴァイスのジーンズの歴史について、振り返りたいと思います。

ブルージーンズとは何か?

ジーンズといえば、青いブルーデニムが第一に頭に浮かぶかと思います。そう、ブルージーンズです。                ブルー・ジーンズと呼ばれるために最低必要条件が存在します。

1、ブルー・デニムを使用している事

何オンス、とまでとまでは限定する必要はないだろうが、一応14オンス前後という場合が多い。

2、ファイヴ・ポケット

前に二つ、後ろに二つ、そして前右側の小さなウォッチポケット(コインポケット)を含めて5つのポケットというのが、典型的なジーンズの表情である。

3、カバー・リヴェット

ジーンズの要所要所に、補強を目的として打ち付けられた銅製の鋲がある。

この3つが、「ブルー・ジーンズ」であるための必要条件である。

今日のジーンズの源が生まれたのは1870年頃である。それ以前にも、デニム地の作業ズボンは既にあった。ファイブ・ポケットも、当時は懐中時計の時代で、トラウザーズボンには、ウォッチポケットを付けるのがごく常識であった。ジーンズの三つの条件を検証していくと、結局のところ、リヴェットが残るのである。作業ズボンに打ち付けたカバー・リヴェットこそが、ジーンズをジーンズたらしめている。

作業ズボンに初めてリヴェットを打った男

19世紀後半、アメリカのネバダ州、リーノという町でささやかな仕立て屋を開いていたのが、ジェイコブ・W・デイヴィス。1870年12月、デイヴィスのもとに一人の女性がやってきて「木こりの夫を働かせるために丈夫な作業ズボンを作ってほしい」と依頼があった。デイヴィスは、生成り色の10オンスのキャンヴァス地(当時最も丈夫な生地)で、丈夫な作業ズボンを仕上げた。そのズボンが仕上がったとき、偶然にも作業台の隅に鋲が2つ3つ、転がっていた。そういえば、「ポケットの辺りなど、すぐに破けてしまうんですよ。」と女性が言っていた事を思い出し、サービスの気持ちで、ポケットに鋲を打ち付けたまことに珍しい作業ズボンを完成させた。

その後、木こりが履いている鋲打ちズボンを見て、欲しくなった客達からの注文が殺到。わずか1年半の間に200本近くもの注文があったという。売れるは良いが、真似をされたらどうしよう、同時に不安も増していき、デイヴィスは、鋲打ち作業ズボンの特許を申請することにした。そこで、一計を案じ、かの有名なリーヴァイ・ストラウス社に力を貸してもらおうと考え、手紙を書いた。

‶このパンツの秘密はポケットに鋲を打った事です。キャンヴァスは1本3ドル、デニムは1本2ドル50セントですが、大変売れております。近所の人たちはこの売れ行きを良く思っていません。そこで私の名前で特許を取ってもらえませんか?もしそうして頂けるなら、権利の半分をあなたに差し上げます。半分は私のものです。”

実際の手紙はこれよりはるかに多かった。この手紙とは別に商品見本を2本送った。                               

リーヴァイ・ストラウス

ジェイコブ・W・デイヴィスから手紙を受け取ったリーヴァイ・ストラウスはすぐに決断を下した。‶やってみる価値はある”と。その為の68ドル(当時の特許申請料)は決して惜しくはない、と。特許申請が認定されたのは、1873年5月20日であった(特許申請の名前は、ジェイコブ・W・デイヴィス)。   

さて、ここで注目すべきは、特許件目が「ポケット開口部の補強」となっている事である。つまり、作業ズボン全体でもなく縫い目でもなく、ポケットの開口部への鋲打ちに限って申請が下されているのである。もし、デイヴィスが個人的に申請していたら、ここまでの知恵が出なかっただろう。その意味では、リーヴァイ・ストラウスに申請を代行してもらったデイヴィスの考えは正しかったのである。その後、新設された鋲打ちズボン部門の生産監督者としてデイヴィスは、リーヴァイ・ストラウス社の社員となった。

リーヴァイ・ストラウス社で‶ジーンズ”の呼称を用いる様になったのは、1955年以降である。

社長であるリーヴァイ・ストラウスは、‶ジーンズ”と呼ぶ事に賛同しなかった。最初は特許申請にも書かれてあるように‶パンタールズ”と呼ぼうとした。しかし、実際にそれを買ってゆくのは例外なく労働者であり、純粋な作業服でもあった為、すぐに呼び名を変更。皆で知恵を出した末、‶ウエスト・ハイ・オーヴァーオールズ”と呼ぶ事になった。あえて‶腰までの作業着”と称したのである。リーヴァイ・ストラウスが公式に‶ジーンズ”の名称を使う様になったのは、1955年以降のこと。1873年6月2日に初めて市場に出て以来、実に82年後の事であった。それとともに‶アメリカズ・オリジナル・ジーンズ”と初めて明記したのである。

ブルージーンズの改革

1902年、9月22日、創業者リーヴァイ・ストラウス、永眠。以降ささやかなジーンズの改革が行われる。

・1905年 左ポケットが添えられる。

普通右利きの場合、右のヒップポケットの方が遙かに使いさすい為、左ポケットが無駄とされていた。しかし、やはり左右一対の方がバランスが取れている。そこで、左側のヒップポケットも添えられ、やっと「ファイブポケット」が完成する。

・1922年 デニムの仕入れ先をコーン・ミルズ社へと変更

ブルー・デニムの仕入れ先をこれまでのアモスキーグ社からコーン・ミルズ社へと変更。コーン・ミルズ社の方が大量生産可能となった為である。現在に至るまで継続されている。

・1922年 ベルトループが添えられる。

往来の製品は、サスペンダー・ボタンのみで、ベルト・ループは付いていなかった。ズボンは皆、サスペンダーで吊って履くものだったからである。しかし、徐々に無造作にベルトで締める履き方が増えてきた。「ベルト通しがないのは不便である。」という意見が増え、前に二本、両脇に二本、そして後ろ中央に一本、合計5本のベルト・ループが付くことになった。

・1936年、新しく追加された‶レッドタブ”

俗にいう「赤タブ」である。小さな赤い織ネームを、右ヒップ・ポケット上部左側に挟み込むことにした。今も昔も織ネームそのものは珍しくないが、服の外側につけたのはこれが最初である。

・1937年、隠しリヴェットの採用

社内では‶コンシールド・リヴェット”と呼ばれている。これはヒップ・ポケットの上部左右に打たれた鋲の事で、椅子の背や自動車の座席、あるいは鞍を傷付けると苦情に応えての事であった。コンシールド・リヴェットは、具体的にはポケットの内側で隠す様に、外から見えない位置にうったものであった。

当時の紙型フラッシャー

・1937年、サスペンダーボタンの廃止

サスペンダーボタンが廃止される。ただし、希望者にはつけてあげるという親切な方式であった。

・1942年、バックシンチャー(尾錠)の廃止

鞍などを傷つけない為にと配慮があっただろうが、現実には殆ど機能していないからである。

・1942年、クロッチ(股)リヴェットの廃止

当時、リーヴァイ・ストラウス社の社長であったウォルター・ハース・ジュニアが自社製品を履き、キャンプファイヤーを囲んでいたところ、どうも股の辺りが熱くなってきた。そこでさっそく、翌日には廃止が決まったそうである。

・1942年、販売促進用の小冊子[Everybody knows]を発行

その中で、「501」がリーヴァイスの愛称である事を正式に宣言された。

こうして、リーヴァイスのブルー・ジーンズ「501」は殆ど今日見られるスタイルとなった。

トゥーホース・マーク

一本のジーンズを二頭の馬が左右に引き裂こうとしている絵柄。言うまでもなく、リーヴァイスがいかに丈夫であるかを端的に説明する上で効果があった。

「トゥーホースマーク」は、オイル・クロスのフラッシャー上に印刷されていた。オイル・クロスとは油を染み込ませる事によって強度を高めた布地のことで、‶フラッシャー”とはもともと‶ひらひらする”からその名で呼ばれる。商品の上から仮止めにした宣伝用チラシである。

「このダブルエックス・スペシャル・トップウエイト・オールコットン・デニムが裂けるような事があったら、無料で新品と交換申し上げます」と記されている。

いかにリーヴァイ・ストラウス社が自社のオーヴァーオールズに自信を持っていたかが伺える。

現行のリーバイス501

これまで「リーバイス501」の歴史を紐解いて行きました。最近、私が購入したリーバイス501を紹介します。

リーバイス501、ストレート、定番の形です。
デニム地は一般のジーンズに比べると固めですが、他ブランドのヴィンテージレプリカ(ダルチザン、ウェアハウス、fobfactory、フェローズ)に比べると、ザラ感が少なく、柔らかめです。(リジッド時比較)
トゥーホースマークパッチ、隠しリベットの当時の紙型フラッシャーは健在です。
赤タブ、レジスタンスマークもついています。
前ポケットのリベット。これがジーンズたらしめる証なのですね。
昔ながらのボタンフライですね。ジッパーより手間が掛かりますが、個人的に好きです。
セールで5500円で購入した安物ですので、エジプト製ですね。この価格でリジットデニムを楽しめるのは、とてもありがたいと思います。

‶シュリンク・トゥ・フィット”

これは、身体に合わせる事が出来る特別なパンツです。       

ここにもリーバイスが評判になった理由があったのだそうです。

昔のカウボーイは、この様にジーンズを履いてバスタブに使ったり、暑い日にジーンズを履いたまま川の中に入ったりされたそうです。 

大量生産されたパンツが、まるで誂えたかのように完璧にフィットするのは、さながら魔法であったと。                こういった知識を知ると、これからジーンズを履きこんでいくのがより楽しみになってきませんか?